上半身は胸の部分をかなり細い金色の布で押さえてあるだけで、下着を着けていないことは私でもわかり、目のやり場に困りました。男女間の機微を陽気に話して盛り上がりましたが、問題は彼女が「あなた何歳?」「結婚してるの?」と私に隣から覗き込むように質問してくることです。当然、私も太地さんに向かって答えますが、チラチラと金色の布の下が見えてしまうのです。
途中で彼女が私をからかっているのはわかりましたが、いやはや「危険な座談会」ではありました。大物俳優が次々と夢中になるはずですが、そのくせ「女優は帰る場所があるとファンに思われたらダメ」と絶対結婚はしませんでした。
芸能界のボスに直立不動の礼儀正しさ
「文春の女神」となった藤原紀香さん
次は藤原紀香さん。出会ったのはさる料亭。個室での会食に、芸能界のボスと言われる社長に招待されました。『文春』はグラビアで女優さんたちにお世話になっていますが、私が招待される理由は思い当たらず、緊張しながら飲んでいました。
鈍い私もそのうち気づいたのですが、それは「ジャニーズ・キャンペーン」を張る文春をけん制する目的の会食だったと思われます。社長は「ジャニーズの次は自分の芸能事務所がターゲットにされるのではないか」という噂を、芸能関係者から聞き付けたらしいのです。
実はまだ何も取材していなかったので、それを正直に話すと、ものの30分で宴会はお開きに。ドンに「これからよろしく」と挨拶されて部屋を出たら、付き添いとしてカウンターに一人でいたのが藤原紀香さんでした。「社長」と礼儀正しく直立不動で挨拶する彼女を指さして、「この子、いい子なんだ。使ってやってくれよな」と私にひとこと。
以降、全盛期の藤原さんが文春のグラビアに頻繁に登場してくれました。彼女は周囲のスタッフにも謙虚で気遣いができる人。ただ、私が自分の無知を知ったのはその後でした。
会食の翌日以降、ボスから冷凍されたナマモノのプレゼントが毎日のように届くのです。こちらは礼儀として、自分の地元・京都の名産である豆腐などのナマモノをお返しするのですが、そのことを他の芸能記者に話したら笑われました。相手から来た贈り物をもらうのは反逆しないという証。反対に、お返しをするのは臣従しないという証らしいのです。それを知ったとき、ゾッとしました。