
「おっは~」ではなく
「お~は~よ」で登場の座間先生(山寺宏一)
一方、東京。学校で嵩は、辛島健太郎(高橋文哉)と再会する。てっきり落ちたかと思ったら補欠合格していたのだ。
制服が殺し屋みたいだと笑う健太郎。発想がユニークである。
健太郎はいるだけで空気が和む。こういうキャラがいるとホッとする。嵩の東京生活は辛島のおかげで楽しくなるに違いない。弟やのぶ以外で、はじめて、心がゆるせそうな同世代の人物に出会えてよかった。この回の終盤、嵩の部屋に転がり込んできて、嵩を困惑させるのだが……。
高橋文哉は現在公開中の映画『少年と犬』に主演しているが、そこでは荒んだ青年の役で、辛島と同じ俳優が演じているとは思えない。若き技巧派である。
座間先生(山寺宏一)が教室に「お~は~よ」と言って入ってきた。山寺宏一なので彼の人気フレーズ「おーはー」(テレ東「おはスタ」でのあいさつ)に似せて「お~は~よ」なところがにくい。
山寺宏一は「アンパンマン」のジャムおじさんの声を担当している。嵩は屋村と別れて東京にきたら、ジャムおじさんの声の人に会うのであった。
のぶの学校では生徒を「大和魂」とひとくくりにして同じことを考える教育を施しているが、座間先生はデザインの学校に入ったからと言ってデザインの仕事をしなくたっていい。小説家でもタップダンサーになってもいいのだと言い、銀座に行くといろいろなものが見られると勧める。
さっそく嵩と健太郎は銀座に行く。そこで見たのは映画『フランケンシュタイン』。
改造人間フランケンシュタインの物語で、健太郎は理解できないが、嵩はとても心惹かれる。
この出会いが、やがて、アンパンマンを生み出すのである。というのは、やなせたかしが自身のエッセイで語っているのだ。