1人で何もかも背負い込んでいた頃は自分では気が付きませんでしたが、切羽詰まった顔をしていたようです。キャリアを続けている友人たちの多くも、実家のそばのマンションに住んだり、姑と同居したりして育児期間を乗り切りました。

 子どもが成長し、保育所から小学校へ通うようになると、育児休業法で可能になった短時間勤務は出来なくなります。病気は少なくなりますが、学校は早く終業するので親が帰宅するまでをどう過ごすかが大きな課題になります。学習塾、学童保育(アフタースクール)などを総動員して対応するにしても、職場で責任のあるポストについていれば出張や残業なども増えてきます。

令和のワーキングマザーの
心にゆとりを与える存在に

 また、授業参観、運動会、学芸会(発表会)など親が出席することを想定している平日昼間の学校行事も目白押しですが、とても母親だけでは対応できません。最近は父親が少し関わるようになったのは良いことです。それでも勤務時間の裁量ができない雇用者の場合、年休を取っても対応しきれないことも多いですし、自営業や自由業でもクライアントの理解がいつも得られるとは限りません。どうしても都合がつかないときに頼める相手、祖父母がいるというのは気持ちのゆとりをもたらします。

 最近は1世代前と異なり若い父親が育児をシェアするようになってはいますが、まだまだ十分ではありません。例えば認可保育園「昭和ナースリー」の朝の送りは父親が9割方を占めていますが、夕方のお迎えは母親が過半数で、買い物、食事の支度も母親がこなしているケースが多そうです。

 欧米の中でも、親や親類と別れて新天地に移住してきたアメリカ、カナダ、オーストラリアなどのアングロサクソン系の国では自立が強調されることもあって、親に頼らない子育てが良しとされています。ベビーシッターなどのサービスを購入して乗り切る家庭が多いですが、夫たちがかなり子育てを分担しています。