宅配便の取り扱いでは、主力となる3商品(宅急便、宅急便コンパクト、EAZY)の年間取扱個数は前期比4.0%増の19億6121万個となり、平均単価は前期比10円減の711円だった。課題となっている法人部門のプライシング適正化については、低採算顧客に対する交渉やクール料金改定の反映などにより四半期ごとに改善傾向が出ており、今期も引き続き交渉に注力する。コストが先行しているフレイター事業の営業損失も縮小傾向にあり、前期3Qに43億円だった営業損失は4Qに29億円まで縮小した。

 オンライン会見した専務執行役員でCFOの野村優氏は「上期と下期で大きな転換を図ることができた。下期以降、正しいプライシングや物量の確保、ラストマイルの生産性向上が進んだ。先行した投資が実を結び、実力が数字にも表れてきた」と述べた。

26年3月期は大幅な利益改善を計画

 26年3月期の連結業績は、売上高1兆8800億円(前期比6.7%増)、営業利益400億円(前期比2.81倍)、経常利益400億円(2.04倍)と大幅な増収増益を計画。当期純利益は前期に投資有価証券や不動産の売却益があった反動で36.7%減の240億円を見込む。

「プライシングの適正化」「法人ビジネスの成長」「オペレーティングコストの適正化」の3本柱で事業を推進することで大幅増益を目指す。引き続き法人部門のプライシング適正化に注力するほか、法人ビジネス(CL事業、グローバル事業)の新規獲得を加速。オペレーティングコストでは輸送領域の生産性向上施策を進めることで、100億円程度のコスト削減を図る。

 宅配便主力3商品の取扱個数は、前期比0.6%減の19億4960万個、単価は前期比18円増の729円を計画。CL事業はナカノ商会の通年寄与もあり、前期比700億円増の1671億円を見込む。フレイター事業は、上期までは赤字が継続するが、下期以降に四半期ベースでの黒字転換を目指す。

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