日韓関係への影響と冷静な見方の必要性
すでに多くの報道が出ているように、今回の大統領選挙は「李在明氏ありき」であることは事実だが、多くの支持を集めているとは言いがたいこと、李在明氏を支持せず、反感を持つ国民も多いということは伝えておきたい。
また、日本にとって大きな懸念である「李在明氏が大統領になったら日韓関係は最悪になる」という点についても、危惧すべきであることに変わりはないものの、冷静な視点が必要だと考える。我々は韓国の大統領について、どうしても「親日か、反日か」ということに気をとられがちである。韓国の政治を日本語で解説する韓国YouTuberが日本でも注目されたり、さまざまな専門家の意見も多く目にするが、彼らの論調には主観や誇張による偏重も多く含まれるということも留意すべきである。
これからの韓国や日韓関係がどうなるのか、実際に李在明氏が大統領になってみないとわからないことも多い。仮に李在明氏が過去の文氏に倣って反日政策を行ったところで、以前のような盛り上がりにはならないのではないかという見方もある。
以前にも筆者の持論として述べたことがあるが、文氏の政権下で行われた「NO JAPAN」はマスコミなども結託し、国民全体が同調しているかの雰囲気を作り出すことに成功したこと、また、当時、日本の首相であった安倍晋三氏という強力な存在があったからこそ波に乗ったと言える。しかし8年前と比べると、若者の政治に対する意識は変化しつつあり、それ以外もさまざまな状況が異なる。李在明大統領の誕生を必要以上に恐れるよりも、まずは選挙結果を見届けた上で日本としても対応を考えていくべきではないか。