庭付きの物件を買い、ガーデニングやバーベキューを楽しみたいという理由で戸建を選ぶ人もいます。

 エリアによって一部例外はあるものの、基本的には戸建のほうがマンションより人付き合いの必然性が低いため、隣近所と密にコミュニケーションをとることなく、気楽に暮らしたい人にも向いています。

人が住んだ瞬間から
資産価値が3割下がる!?

 マンションは人間関係が希薄だと思われがちですが、分譲マンションでは管理組合の総会や防災訓練などで、住民同士が顔を合わせる機会が意外とあります。むしろ、住民同士のかかわりが深く、活気があるほうがいいマンションと言えるため、近所付き合いが皆無の場合、住民が管理に無関心な人ばかりの危険なマンションかもしれません。

 前述のメリットの一方で、戸建には“資産性が低下しやすい”という決定的なデメリットがあります。

 土地に関していうと、都心3区・5区などのごく限られたエリアを除き、戸建が立ち並ぶ駅から離れた住宅街は、今後地価が下がる可能性が濃厚です。

 土地の問題に加えて、建物の劣化の問題もあります。鉄筋コンクリート造のマンションは堅牢な造りになっており、適切な修繕をしていれば長く住み続けられて、資産価値も低下しにくいもの。それどころか、新築分譲時よりも値上がりする物件も多くなっています。

 これに対し、木造の戸建は鉄筋コンクリート造よりも耐用年数が短く、資産価値が低下するスピードも速いです。木造の建物の法定耐用年数は22年。マンションと同じく、法定耐用年数=建物の寿命ではないものの、適切な修繕をしていなければ30~40年でボロボロになり、大規模なリフォームや建て替えを余儀なくされます。

 これが鉄骨造や鉄筋コンクリート造の戸建であれば、耐用年数はもう少し長くなります。

 ただ、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物は手掛けている施工会社がそれほど多くはなく、コストが高くなる場合もあるため、いまだに戸建は木造が大半を占めます。