小さな生産者の声に耳を傾ける
「確約なし」で動いた勇気に応えたい

 今回のプロジェクトで、ひろゆき氏が特に大切にしたのが「小さな生産者」との連携だった。被災直後、地元の大手メーカーはある程度の体力と資本があり、復旧作業を進めることができた。しかし、小規模な個人事業主や家族経営の工房には、被害のダメージはあまりにも大きく、何も見通せない状況だった。

 そんな中、「まだ正式に始まっていないプロジェクトなんですが」と声をかけたにもかかわらず、「それでもいいです」と手を挙げてくれた事業者もいたという。

「何の保証もない段階で、未来に賭けてくれた。その覚悟には、本当に頭が下がります」

 プロジェクトは、石川県内で地域と密接に関わる支援団体「まま探検隊」などの力も借りながら進められている。地元の信頼を得たパートナーたちが、生産者を一軒一軒訪ねて説明し、言葉を交わし、時に励ましながら参加の輪を広げている。

 この“人と人の対話”があるからこそ、単なるビジネスではない「思いのこもった循環型の支援」が成立しているのだ。

あの「ひろゆき」が能登の震災復興としてサブスクビジネスを展開するワケ「海のじねんじょ」
あの「ひろゆき」が能登の震災復興としてサブスクビジネスを展開するワケ「中田屋のきんつば」