人文系は就職に不利?

――でも、文系でも文学系や哲学系は学問としては優れていても、就職などは厳しい印象があるのですがどうでしょうか。

びーやま:そんなことはありません。文系の場合、就職が学部で決まるなんてことはありません。なぜなら、学部での判断だけでなく、大学名も大きな判断材料だからです。

 もちろん、誰でも入れる大学の文学部哲学科などだったら、正直就職は苦戦すると思います。ですが、誰もが知っている大学の文学部哲学科だったら、普通に就職では強い分類に入ります。

 皆さんも感じているように、文系はどの学部も技能性はそこまで求められません。というか、求めることに限界があります。正直なにをしたって大学レベルから脱することはできません。

 マーケティングだろうが、経営だろうが、ファイナンスだろうが、社会の実践レベルとは大きな隔たりがあります。経営学部を出たからって経営者と同じ意思決定ができるわけではありません。

 なので、「どの学問か」よりも「どのレベルでどのような姿勢で学んだか」を重視せざるを得ないのです。

 なので、レベルの高い大学で好きな学問を一生懸命学べば、文系でも就職が不利になるなんてことはありません。

 ポイントは「ちゃんとレベルの高い大学」、言い換えれば「偏差値の高い大学」にいけるかです。近年のトレンド的に、「潰しの利く学問を選ぼう」みたいなトレンドがありますが、潰しが利くのは学問ではなく、大学です。

 仮に理系だったとしても、そこが偏差値の低い大学だったら就職先は選び放題なんてことは当然ありません。

――どんな学問だろうが、結局はちゃんと勉強するかどうかということなんですね。

びーやま:そうです。学問で多少の有利不利はあるかもしれませんが、それは決定的なものではありません。「どのくらい真剣にその学問に向き合ったか」。それがキーファクターです。

 ですので、文理選択で悩んだ場合は、学問的有利不利だけではなく、「自分が楽しく頑張れるのはどこか」という視点を忘れないでほしいと思います。

 なにより、大学での勉強はなにも就職のためだけにするものじゃないですからね。「楽しく勉強できる」というのは人生の大きな財産になりますから、長い視点で考えてもらえるとうれしいです。

――ありがとうございます。大変勉強になりました。

びーやま[著]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』のツッコミ担当。早稲田大学教育学部卒。高校時代の偏差値は37だったが、1年間の浪人を経て早稲田大学に入学。大学時代は起業・自主退学・復学など、さまざまな経験をしたのち、大学受験のすばらしさに気づき現在に至る。甘いルックスと鋭いツッコミ(たまにポンコツ)で視聴者の心を掴んでいる。決め台詞は学歴モンスターの相方・高田ふーみんを制止する「ヤメロオマエ」。

高田ふーみん[協力]
教育痛快バラエティ番組・YouTube『wakatte.TV』にて「学歴至上主義」を貫く学歴モンスター。京都大学経済学部中退(現役合格)。学歴を絶対の価値基準とする偏った思想を持つヒール役として受験生や大学生を中心に人気を博している。決め台詞は「Fランやないか」。