
これらの一手を打つことで、彼はある程度、その後の展開を支配できるようになる。それは彼にとって、コンピューターに思い通りの挙動をさせるための、基礎的な命令なのである。
「ショートカット」もまた同様である。現実のコミュニケーションでは、時間をかけて丁寧に議論を重ねることがよしとされる。しかしプログラマーは、同じように課題を解決できるなら、より効率的な手段の方が優れていると評価される。たとえば、相手を論破することが目的であるならば、丁寧に相手の話に耳を傾けるのではなく、相手を嘲るなどして、相手を感情的にし、自ら論理破綻を露呈させるよう誘発した方が早い。それもまたショートカットの実践なのである。
ひろゆきによれば、プログラマーの世界において、きちんと挙動するプログラミングを書ける人間が偉いのであって、それ以上でもそれ以下でもない。それが、彼の議論に関する倫理にも反映しているのだろう。