そうこうして、ストレスチェック結果のレポートが出たと聞いた。自分の中ではちょっとした「告発」だったので、実はドキドキしていたのだが……これにはがっかりだ。うちの部門は4名しか部下がいないから、結果が表示されないのだ。

「匿名性を守るために、分析結果を非表示にする…?」

 ちょっと待ってよ、なんのための無記名調査?そもそも、何のための「ストレスチェック」?

 こうして鉄人は今日も、夜中に「……の件ですが、こちらで確認しておきました。返信不要です」と連絡してくる。もう絶対、辞めてやる。

真面目な人が一番傷つく
制度になっていないか?

「傷ついた」「傷ついている」と一見言えそうで、もとい、実際に言ったのになきものとされる……こんな虚しさ、あるでしょうか。むしろ聞くだけ聞いてしまった点で、絶望により近いと言ってもいいでしょう。

 ストレスチェックの形骸化は、言わずと知れた問題です。回答者個人が申し出ない限り、産業医の面談を受けることもありません。「あの組織、何人もがしんどいと回答してる……」とわかるにはわかるのですが、それ以上のアクションは原則とらなくてもよいようにできているのです。

 なぜならそれは「個人的なこと」だから。「個人情報」開示のルールがあるから。以上、終了なのです。

 現にデータとしても出ています。「労政時報第4034号(2022・4・22)」の「ストレスチェック制度の課題」(複数回答)として、「結果の活用(集団分析に基づく職場改善に向けた取り組みなど)」が73.8%で最も多いことがわかります。

 7割強が、法令化されているからやってはいるけど、どう活用していいかは疑問……と答えているのは、なかなか正直な結果だと見受けます。

 蛇足ですがもう1つ、正直な回答だなぁ……と思うのは、日本生産性本部の「第10回『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査」で、「ストレスチェック制度の実施目的」質問への回答傾向です。