どんなことでも、基本ができていれば自分なりに応用できます。ある程度の技術を身につけたら型にはまらず自由にやっていい。そう教えられた気がしました。
相談されても一緒に悩まなくていい
自分に合っている職場を
見極めるタイミングはいつ?
今の会社を辞めて転職したい。そんな思いがよぎったことはありますか?
でも、慣れた環境から出る決断って、簡単にはできませんよね。
今から数年前、入社2年目のFさんのカウンセリングをしました。人気企業に入社しましたが、辞めたいとのことでした。仕事自体はつまらなくはないものの、自分には合っていないのだと、鼻息が荒くなっていました。
まだ2年目。会社もあなたに教育費をかけてるわけだし、上司も労力を使って育成してくれているし、ほとんど成果も出していないんだし、ちょっと冷静になろうよ、と心の中であれこれ思った私。
慎重に考えたら?と伝えましたが、まったく聴き入れてくれませんでした。
3ヵ月後、彼女から転職したという報告が。以前の会社より規模は小さいものの、仕事も職場もとても楽しく、転職してよかったとのことでした。
彼女がスパッと転職の決断ができたのは、自分の「キャリア・アンカー」が何かをわかっていたから。

キャリア・アンカーとは、仕事をする上で譲れない価値観のこと。組織心理学者のエドガー.H.シャイン教授が提唱したものです。
(1)専門能力(2)管理能力(3)自律と独立(4)保障・安定(5)創造性(6)奉仕・社会貢献(7)チャレンジ(8)ワークライフバランス。
この8つのうちどれが大切か、ツールを用いて診断します。
Fさんのキャリア・アンカーは、創造性でした。開発やクリエイティブな仕事が向いていると自分でわかっていたので、その力が発揮できる会社に転職したのです。
転職にしろ異動にしろ、しっくりくる場所に身を置くには、自分のことをわかっているかどうかが大事。自己理解ができていると、合わないと思ったらスパッと辞める決断ができ、後悔もしません。
直感した違和感はだいたい正しい