日本の制度では賃金が上がっても
手取りが増えたという実感に乏しい
玉木 今回の年金制度改革の中でも訴えてきたのですが、自民・公明のみならず立憲民主党もここには手を付けない修正案に合意してしまいました。衆議院でわずか1.5日の審議での可決は、将来に禍根を残しますよ。まともな年金制度改革をするためにも、私たち国民民主党がより大きくならないといけないと思っています。
池上 最後に、参院選の見通しについてはいかがですか。
玉木 ブレずに手取りを増やしていく政策こそが、今の日本経済にとって一番必要です。現在の制度では、賃金が上がっても所得税の累進課税でより高い税率に移行していくことになるため、手取りが増えたという実感に乏しい一方、税収の上振れが続いているわけです。
ならばインフレで困っている国民の皆さんに減税でお返ししよう、と。日本以外の国ではみんなやっていることですから、まっとうな政策だと思います。
もちろん、住民税非課税世帯への再配分や子育て世帯への支援も重要ですが、一生懸命働いて稼いでいる人たち、特に単身で頑張っている人たちには何の支援もありません。
増田 その通りです。
高齢者を支えるためにも
現役世代を支えたい
玉木 高齢者を軽視しているということではなくて、年金は賦課方式なので、支える側の支える力が強くならないと、高齢者の年金も減ります。高齢者のためにも今その負担を一身に負って税と保険を払っている現役世代を少しでもこのインフレから楽にしたいというのが、私たち国民民主党の基本的な考え方です。
池上 参議院選挙の結果によっては新たな連立を組むことになり、与党の一員に加わる可能性もありますよね。
玉木 今は支持率も下降傾向ですから、まずは一議席でも多く獲得して何とか生き残ることが目標です。「絶滅危惧政党」と言われ続けながら、何とかここまで来ましたから。欲を言えば非改選を含めて21議席にしたい。参議院で21議席あれば予算を伴う法案を単独で提出できるようになるからです。まずはこの数字を目指したいですね。