この暴力を後押ししているのが「大衆の憎悪」だ。ペドファイルハンター動画のコメント欄は荒れに荒れて、「尿を飲ませろ」「殺せ」などと過激なコメントで溢れており、制裁が過激化しているのだ。

 こういう「小児性愛者狩り」はチェコでも問題になった(AFPBB News 2024年8月10日)。「私人逮捕系YouTuber」が注目を集めた日本でも、「警察が頼りないので変態教師を捕まえてお仕置きをします」なんて人があらわれる可能性は十分にある。

 そこに加えて、国際社会でも小児性愛者を追いつめる取り組みが進んでいる。

 例えば今年4月、児童ポルノなどの映像9万本がアップロードされている世界最大級の小児性愛者コンテンツ共有サイト「Kidflix」(キッドフリックス)」が摘発、閉鎖された(欧州刑事警察機構発表資料)。

 この捜査にはドイツをはじめ世界35カ国が協力して、世界中で1400人の容疑者が特定されたという。

 国際的な小児性愛犯罪への追及は続いており、5月にはフランスでもオンライン小児性愛組織の摘発が行われ、55人が逮捕された(CNN 5月23日)。

 このような世界的な流れはいずれ日本にもやってくる。つまり、「教室に監視カメラを持ち込むのはプライバシーの観点から慎重にすべき」なんて生ぬるい議論をしているうちに、ネットやSNSのサイバー捜査から「変態教師」の大規模摘発が行われていくのである。

 日本は世界の小児性愛者から羨望の目で見られるほど、児童ポルノなどの規制がゆるい。「ジュニアアイドル」でググってみていただければわかるが、10歳などの少女が肌を露出した衣装に身を包んだ写真が溢れている。ちょっと前には、あるジュニアアイドルの「使用済みのステージ衣装」を、親がメルカリで販売していることが問題になった。

 そのように「子どもを性の対象としてビジネスにするカルチャー」を日本では、「アイドル文化」や「推し活」という言葉で巧みに正当化してきた。

 つまり、おじさんたちが露出の高い衣装に身を包んだ10代の少女を熱烈に応援したり、写真撮影したりしているのは、「純粋な気持ちで応援している」だけであって、「決して性的な目で見ているわけではない」というロジックだ。