ちなみに、2021年の厚生労働省の調査によると、日本では年間約39万人、つまり1日あたり1000人以上の子どもが性被害に遭っていると推定されている。

 なぜ39万人も性被害者がいると見られているのに、被害の認知件数は減少してわずか2000件程度なのかというと、大多数が被害の声を上げないからだ。

 では、なぜ泣き寝入りをするのか。幼すぎて被害を受けたこともよくわからない、恐怖で記憶を自ら封印しているなどのケースもあるが、「身近な大人から被害を受けているので黙らざるをえない」というケースも少なくない。子どもにとっての「身近な大人」とは実父や義父、親戚や近所の人だが、忘れていけないのが、教員・塾講師である。

 ここまで言えば筆者がなにを言わんとしているのかおわかりだろう。日本の子どもの性被害の認知件数が減って被害の実態が分かりにくくなっているのは、小児性愛者が教員・塾講師という「悪事がバレにくい職業」にどんどん流入している恐れがあるのだ。

 それが窺えるのが、児童や生徒などへの性犯罪や性暴力で懲戒処分などを受けた公立学校の教員の数だ。文科省によれば2023年度は320人で過去最多となっている(NHK 2024年12月20日)。「教員の数が減っている」「教師のなり手が少ない」と言われているのに、「変態教師」だけは着々と増え続けている。子どもを性的な目で見ている小児性愛者が多く、教育現場に流入していると考えればつじつまは合う。

 昔の小児性愛者というのは、小さな女の子に声をかけて草むらに連れ込んだり、車に引きずり込んでわいせつなことをしたりという手口が多かった。「知らないおじさん」による卑劣な犯行なので事件として認知しやすかった。

 しかし、今の小児性愛者は、教師という立場を隠れ蓑にして、女子児童を盗撮する。そして、同じ小児性愛者のグループチャットで共有して「これはいいですな」なんてやっているので表面化しにくい。誰もいない教室に連れ込んでわいせつなことをする変態教師でも、子どもからすれば「よく知っている先生」なので被害を訴えづらい。つまり、手口がより巧妙で地下にもぐっているので、事件として認知されにくくなっているのだ。