家族の会が伝えたい
本当に危惧される事態とは
治療薬の供給についても、常に心細さを感じているようだ。
「(患者の家族として)これまで使われていた薬剤が急に使えなくなるかもしれない、しかも代替薬がないとしたら、とても恐ろしいと感じています。ドラッグラグ・ロス問題より影響が大きい『ドラッグロスト』問題と言えるのではないでしょうか。
小児がんの薬は、新薬開発の難しさ故に、代替薬がないケースも多く、また治験自体にも時間とコストがかかるため、長期間の利用実績がある(効果や副作用が見えている)アクチノマイシンDのような医薬品は医師だけでなく患者•家族にとっても、より重要な存在です。
当会としては、今後も本薬剤をこれまで通り使用し続けることが出来るよう、以下を厚生労働省等に要望していきたいと思っています。
(1)本薬剤の安定供給が継続されるよう、薬価の見直しや国内生産体制の構築など、今後必要とされる対応についての取り組みを強化してほしい。
(2)本薬剤の安定供給確保に向けた体制整備や継続的なフォロー(モニタリング等)を実施いただくとともに、「安定確保医薬品」のカテゴリ設定における「カテゴリA」への引き上げについて検討してほしい。 (なお、本薬剤は現状「カテゴリC」指定となっている)
(3)製薬会社の使命感任せにせず、薬価の問題やキードラッグのモニタリング体制など、行政主導で薬剤の安定供給についての取組みを強化していってほしい。
アクチノマイシンDがノーベルファーマ1社による供給体制となっていること、供給不安を抱えやすい海外での製造となっていることなども問題であると感じています。一方で、利益の大きく出ない同薬剤を国内でずっと届け続けているノーベルファーマ社には感謝しかありません」