焚き火を見ると「なんとなく落ち着く」と言う人が多いのは、この1/fゆらぎの効果でしょう。キャンプに行けない場合は、市販のキャンドルを燃やすだけでも1/fゆらぎに触れることができます。最近はさまざまな香りのキャンドルも販売されているため、好みの香りをかげばよりリラックス効果が高まります。
『0.75倍速健康法』（工藤孝文、フォレスト出版）
そのほか、ゆっくりと時間が流れる趣味と言えば、登山もおすすめです。登っているときはつらくても、頂上に着いた瞬間にそんなことは吹き飛び、心も身体もスッキリした経験はありませんか？これは、1歩1歩じっくり時間をかけて進み、苦労の末に目的地に着いた達成感による効果だと思われます。
同じ頂上でも、ロープウェーで5分足らずで辿り着いてしまったら、こうした感動は生まれないはずです。登山は目的を達成することではなく、その過程に意味がある行為であり、0.75倍速の本質を体現していると言えます。
こうした、キャンプや登山のように、自然のなかで身体をリフレッシュさせる方法は「森林浴」と呼ばれ、その効果は科学的にも証明されています。具体的には、交感神経活動の低下や、脈拍数の低下、ストレスホルモンの一種であるコルチゾール濃度の低下などが挙げられます。
さまざまな事情でキャンプや登山に対するハードルが高い場合は、自宅近くの公園や雑木林、河川敷など緑が多い場所を散策することでも同様の効果が期待できます。
