希少性の高い限定品、一点ものの作品…
1億円超えの「超高額返礼品」も
5 超高額な返礼品
1でも書いたが、1自治体あたりの寄付額は大体2万円未満が多いようだ。しかし、「ふるさとチョイス」によると、近年は寄付額が数千万円〜3億円にのぼる超高額な返礼品も登場しているという。1000万円以上の品数は、1年で2倍以上に増えているのだとか。
どんな返礼品かと言えば、茨城県下妻市では2億3000万円の寄付で、一点ものの現代日本絵画が受け取れる。静岡県沼津市では、1億5000万円でダイヤモンドを超える希少性の高いジュエリー、栃木県矢板市では1億円で地下型防災シェルター、大分県国東市では約5400万円でカタマラン型プレジャーボートが受け取れる。まさに桁違いの金額だ。
コメや卵の値段に一喜一憂する庶民がいる一方で、日本には富裕層が増えているという。野村総合研究所によれば、2023年調査で金融資産額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および同5億円以上の「超富裕層」は、2年前と比べ1割以上も増加している。
そもそもふるさと納税の一番のメリットと言えば「節税」なのだから、所得の多い富裕層が多額の寄付をするというのは当然かもしれない。
こうした人たちは、「資産の価値」を重視する人たちだ。返礼品が一点もののアート作品だったり、希少な限定品だったりすれば、将来の値上がりも期待できる。そうしたお金持ち心理をくすぐる返礼品をどんどん提案できれば、寄付を集めたい自治体にとってリターンは大きいだろう。
ともあれ、1億円超えの「超高額返礼品」がますます増えていくような、景気のいい日本になってもらいたいものだ。