<半身の麻痺や感覚障害>
・体の左右どちらかに力が入れられない
・食事中に箸やお椀を落としてしまう
・足を引きずってしまう
・顔の半分だけが動かない
・半身の手や足が痺れる
<言語障害>
・ろれつがまわらない
・言葉がなかなか出てこない(失語)
→相手の言うことはわかるが、返そうと思っても言葉が出てこない(アウトプット障害)。
→相手の言うことが理解できず、理屈に合わないことをしゃべり出す(インプット障害)。
<視覚障害>
・片方の目が見えにくい
・片側が見えない
・ものが二重になって見える
<バランスの障害>
・ふらついてしまい、立っていられない
・足元がおぼつかない
<意識障害>
・ぼーっとして、日時や場所の感覚が不正確になる(軽度の場合)
・意識状態が急激に悪化し、昏睡状態に陥ったりする(重度の場合)
突然隣の人が突然倒れたら?
救急隊に伝えるべき大切なこと
脳梗塞を発症してしまった場合は、一刻も早く治療を行うことが必要になる。もし近くにいる人が、脳梗塞が疑われるような倒れ方をしたらすぐに救急車を呼ぼう。発症した時刻を救急隊に正確に伝えることも大切だ。
「急性期の治療法としては、血栓溶解療法や血栓回収療法などがあります。2005年に認可された血栓溶解療法は、tPA(組織プラスミノーゲン活性化因子:アルテプラーゼ)を点滴し、血栓を溶解させる療法です。治療が早ければ早いほどよく、発症から4時間半以内に治療を行うことが必要です」
ただし、この治療で用いられるtPAは血栓を溶かす作用が強力で、出血を引き起こすリスクがあるため、治療を行うには幾つかの条件をクリアしなければならない。
「血栓回収療法は、カテーテルを通じて血栓回収用機器を脳血管に送り込み、血栓を直接回収する治療法です。この治療法によって、今までなら手足の麻痺などが残っていたような症例でも、後遺症なく退院できるというケースも増えてきています」
本来は発症から6時間以内の治療が推奨されてきたが、近年では症状の程度や梗塞の広がりなどの条件が合えば24時間以内まで可能だ。