さて、話をまとめてみましょう。おそらくこれからの5年間で、ここで説明したような変化が社会全体で一気に起こるはずです。一番重要な考察は、これまで若い労働力が最低賃金近辺で手に入ったという過去の常識が安すぎたということです。この安さが前述の変化によって崩壊します。
若い労働人口が大幅に減少し、その労働力の奪い合いが過熱して、大手チェーン中心にパートの時給が2000円というのが当たり前の時代がやってくる。これがしまむらだけではなくて、儲かっている有名チェーン店全体で同じ変化が起きるのです。
その変化で、一部のパート従業員は、週の半分以下だけ働いて税金も社会保険料も節約しようとするでしょう。一方でフルタイムのアルバイトパートで家計を維持している人たちには大きな変化が起きるはずです。大手チェーンの面接に受かりさえすれば、パート従業員だけれども年収400万円、いやひょっとすると年収500万円を狙える時代がやってくるからです。