ライブ5回分でAVPが買える(?)メタリカのコンサート
映画以外にも、AVP対応のイマーシブビデオコンテンツは徐々に増えている。ここからはメタリカのライブ映像と、U2のボノのワンマンステージを紹介しよう。
ヘヴィーメタルバンド、メタリカのイマーシブビデオは、”Metallica Immersive Experience”、つまり、コンサートを観るのではなく体験する(experience)ためのコンテンツだ。
メタリカのライブコンサートチケットは非常に高額で、このイマーシブビデオが収録されたメキシコ公演の場合、かぶりつきで演奏が見られるスネークピットと呼ばれるエリア(ドーナツ型ステージの中央部分)だと約12万9600円もする。つまり、その場所で公演を5回見るつもりなら、AVPが買えてしまうのである(もっとも、専用観覧席+飲食+限定イス・グッズ付きの最上位パッケージは、1回でAVPが2台買える約126万円なのだが…)。
AVPのイマーシブビデオでは、4人のメンバーが楽屋裏で気合を入れるところから、アリーナに出てステージに上がり、演奏を行う様子を、それこそ帯同するスタッフの目から見るように体験できる。撮影用の180度カメラも、ステージ上の要所と空中のケーブル、そして機動性のある撮影スタッフの手持ち機材として複数台が駆使され、ライブの様子を縦横無尽かつ立体的に捉えている。そのため、メンバーと観客の熱気がスネークピットよりも身近に感じられるほどだ。

それでも、本当のファンならば会場まで行き、たとえステージから遠い席であっても生で聴きたいと思うかもしれない。しかし、へヴィーメタルのファンではない筆者でも魅了されたこのようなイマーシブビデオ、いやイマーシブ体験ならば、デバイスの価格がこなれていけば、確実に人気コンテンツとなるはずだ。
