写真2枚で1投稿、ポイントは「自分を盛れない」こと

 BeRealは、その名の通り「リアルの共有」をコンセプトにしています。そのため、誰もが自分を「盛る」ことができないような仕掛けが施されています。

 そのひとつが、「通知が来たら2分以内に投稿」するルールです。BeRealは1日に1回、ランダムな時間に通知が来ます。朝の日もあれば、夕方の日もあるため、いつ通知が来るのか1日中ドキドキして待ちます。

 いざ通知が来たら、「ビーリアル来た!」と大騒ぎ。2分以内にアプリで撮影して写真を投稿します。BeRealはスマホに保存している写真は投稿できないため、2分以内にその場で仲間に受けそうな撮り方を考えます。

 BeRealは、インカメラとアウトカメラで撮影した2枚が1つの投稿になるので、基本は自撮りと自分の目の前に広がる風景を共有します。平日のお昼なら友達とお弁当を食べているところ、早朝なら顔を出さずに床と天井、バイト中ならバックヤードで休憩している自分など、特に映えるシーンではない日常を一斉にシェアします。「今こそ投稿したい!」という場面で通知が来たら、こんなにうれしいことはありません。

映えないし、盛れないし、慌ただしいSNS「BeReal」に、Z世代が夢中になる理由筆者の「BeReal.」投稿。自撮りと前景が1つの投稿になる(筆者撮影)

 2分以内という制限があると言いましたが、実は通知から2分を過ぎても投稿できます。うっかり寝ていたり、授業中で撮影できなかったりした場合は、遅れて投稿することも可能です。ただし、2分以内に投稿すると、「ボーナス」として複数の投稿が可能になります。「今日は午後から映えるカフェに行く予定なのに、午前中に通知が来てしまった」という場合は、通知から2分以内に投稿しておけば、午後に出かけたカフェの様子も投稿できるようになります。

 BeRealは、自分が投稿しないと友達の投稿にはボカシがかかって見えません。全員がリアルを共有しなければならないのです。