「盛れない」「比較されない」からこそ、SNS疲れした人に刺さる
また、加工ができない仕組みにより、SNS疲れした若者が救われている一面もあります。SHIBUYA109 lab.が公開した「Z世代のスマホに関する意識調査」によると、「SNS疲れを感じる」と回答したZ世代は51.0%と、約半数がSNS疲れをしていると回答しています。その一方で、「SNSをやめたい」と考えている人は28.4%に過ぎず、約7割がSNSを続けたいと考えています。

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BeRealは、フォロワーの数やいいねの数が表示されません。コメントの盛り上がりなどで「この人は人気があるな」と感じることはあっても、誰かと比較されることなく楽しむことができます。
また、全員が加工できない条件で投稿しているため、例えばお菓子の空き箱などの余計なものが写ってしまっていても、「BeRealだからいいよね」と言い訳ができます。これがInstagramなら「加工して消すべき」と突っ込まれる可能性がありますし、自撮りも美顔フィルターをかけなければ周囲から浮いてしまいます。
BeRealの投稿は、翌日になると他人から見えなくなります。いまひとつだった投稿も1日限りと思えば、大したことではありません。親しい仲間と飾らない自分たちを共有できる点も、BeRealが人気な理由なのです。
日本市場での収益化に本格始動する「BeReal」
BeRealはユーザー数を伸ばすため、収益化を二の次にしていました。2024年から公式アカウントや広告事業を開始し、日本市場でのビジネス活用に力を入れています。今年6月には企業を対象とした初のセミナーを開催。Z世代のゲストがBeRealの使い方を紹介し、広告商品やBeRealならではの強みについて説明がありました。

Z世代はBeRealを日記のようにも活用しています。過去の投稿は自分だけにカレンダー形式で保存されていくからです。そこには、加工されていない自分の思い出が残されています。
1日1回ランダムな時間に通知が来るというBeRealの仕組み上、学生以外の利用が難しいという声もあります。また、授業中やコンサート会場などでも通知が来ると撮影してしまうため、マナー面での批判を受けることもあります。
しかし、青春をBeRealとともにした若者たちは、社会人になってもBeRealを利用し続けるかもしれません。ビジネス活用も含めて、今後も注目していきたいサービスです。