最近はアベノミクスへの批判が増えています。株価が下がり出したら「やっぱりアベノミクスはダメではないか」といった批判が出始め、来週決定されるアベノミクスの3本目の矢である“成長戦略”の中身への批判も強まり出しています。それでは、「アベノミクスは失敗」と結論づけられるのでしょうか。
成長戦略は不合格
結論として、そういう今の瞬間の一部分だけを捉えたいい加減な評価は間違っていますし、株価が上がり続けている間は何も言わず、下がり出したらここぞとばかりに批判を始める民主党の政治家や一部メディアの間違った主張は相手にする必要もないと思います。
もちろん、来週12日(水)の産業競争力会議でセットされ、14日(金)に閣議決定される成長戦略の出来が非常に悪いことは事実です。アベノミクスの三本の矢を大学のテストのように採点するとすれば、1本目の矢の“大胆な金融緩和”は100点満点、2本目の矢の“機動的な財政出動”は70点(財政出動自体は正しいが、ちょっと規模が大き過ぎた)で合格なのと比べ、来週決定される3本目の矢の“成長戦略”は40点、つまり不合格です。
“成長戦略”が不合格の理由は簡単です。産業の競争力が強化されて企業が魅力的な製品やサービスをより多く世に出すようになるためには、構造改革的な政策が必要なのに、今回の“成長戦略”では構造改革的な政策は国家戦略特区やインフラのコンセッションくらいで、残りは霞ヶ関の官僚がやりたい産業政策ばかり、産業競争力会議で民間議員が提案した構造改革的な政策の多く(法人税の引き下げ、解雇規制の緩和、農業改革など)は入っていないからです。
本番は参院選後にやってくる
しかし、だからと言って「安倍政権の成長戦略はダメだ」、「アベノミクスは失敗だ」と結論づけるのは明らかに間違っています。