TikTok、ストゼロ、辛ラーメン...
“欲望の即席化”が進む社会

「TikTok、YouTube、Netflix、ストゼロ(ストロングゼロチューハイ)、辛ラーメン(韓国のインスタント麺)……。1日500円あれば、手軽に幸せになれてしまう環境がありますよね」

“欲望の即席化”が進む社会では、「これが欲しい」「これを成し遂げたい」という強い欲望が育ちにくい。だからこそ、「欲の解像度が高い人は圧倒的に強い」と語る。

「自分は何が欲しいか、どんな未来を望むかが見えている人は迷わない。26年は“欲の解像度”が個人の活動の差として露骨に現れると思っています」

そりゃ実家に住むわ…若者が「港区の頑張りゲーム」を降り始めた当然の理由Photo:DIAMOND

 25年は「退職代行」「残業キャンセル界隈」「ワークライフバランス」といった働き方に関するワードが注目された。

「25年の働き方系の流行りは、ホワイトカラー的な場所で人があぶれる、向いてない人まで無理やりオフィスに座っている現状が産んだ現象ではないでしょうか」

 岸谷さんは、価値観の変化が働き方にも表れると語る。

「日本人全員がホワイトカラーを目指す必要はない。頭も体も使える、ホワイトとブルーの中間のような存在が、これから一番重宝されると思います。僕はそれを“アクアカラー”と呼んでいるんですが……全然しっくり来てないので、もっといいネーミングがあればぜひ教えてほしい(笑)」

 例えば引っ越しの仕事を例に取ると、ただ荷物を運ぶだけなら力仕事の単純業務だが、誰に・いつ・どう動いてもらうかといった現場のマネジメントには「頭脳」が必要になる。身体性と判断力の両方を求められる人材は、今後さらに価値が高まる可能性がある