ドイツ・ブンデスリーガのボルシア・ドルムント、そして現所属のイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・シティで驚異的なペースでゴールを量産。世界最高のストライカーとなった男はしかし、代表チームでは2022年のワールドカップ・カタール大会を含めた主要大会に縁がなかった。

 だからなのか。前出のイタリア戦後のフラッシュインタビューではこんな言葉を残している。

「うれしいけど、正直、安堵の気持ちのほうが大きい。プレッシャーもたくさんあったからね」

 ノルウェーのワールドカップ出場は、1998年のフランス大会までさかのぼる。ハーランドは2000年7月に、ノルウェー代表で活躍した父アルフ・インゲ・ハーランド、七種競技の元ノルウェー女王の母グライ・マリタ・ブラウンとの間に生まれ、稀有な身体能力をサッカーで花開かせた。

 ノルウェー代表では出場48試合で55ゴール。実に1年以上にわたって、出場したすべての試合でゴールを決めてきた。その延長線上にワールドカップが位置づけられているからだろう。過去の最高位がフランス大会のベスト16だったノルウェーは、早くも北中米大会のダークホースにあげられている。

ロナウドは6大会連続6度目の出場
「最後のW杯になる」と明言

 さらに現在のペースを継続させていけば、ハーランドは男子の世界最多得点記録更新への挑戦者に名乗りをあげる。現在の記録保持者で、226試合出場で143ゴールを決めているクリスティアーノ・ロナウドも、ポルトガルのエースストライカーとして6大会連続6度目のワールドカップに臨む。

 現在はサウジアラビアのアル・ナスルでプレーするロナウドは、40歳になった今年2月以降に「引退は近い」と繰り返すなど、キャリアが終焉に近づいていると認めてきた。そして11月に入ると、41歳で迎える北中米大会が最後のワールドカップになると「CNN」のインタビューで明言している。

「僕はまもなく41歳だ。主要大会に出場するのは、間違いなく次が最後になると思うよ」