気配り上手は、
「出だしの印象」を大切にしている

 私は、あまりにも気が利かなくて、諸先輩に怒られ続けました。それを見返したくて、別のスキルを身につけようと、「英会話学校」に通ったことがあります。
 通う前のTOEICスコアは「285点」と超低レベル。当然、ネイティブの先生の言っていることは、チンプンカンプンでした。

 ある日、いつものように仕事で怒られた際、先輩から次のような注意を受けました。

「後田は、動きが鈍い。相手の話を聞きすぎたり、動きを見すぎている」

「話を聞きすぎてはいけないのか?」
 と単純に考えた私は、英会話スクールで、先輩の助言を試してみることに……。
 先生の話を「ほとんど聞かずに、返事を返してみた」のです。
 相手が何を言っているのかわからなくても、

「ンフ」「アハ」

 とうなずいてみせる。そしてときおり、

「Do?」(よくわからないんだけど、あなたは何かをしたのね?)

 と返事をしてみたのです。
 すると、どうでしょう。
 たったこれだけで、相手が勝手に盛り上がっていったのです。
(「ンフ」アハ)だけで外国人とコミュニケーションを取る方法を、私の前著『ぶっちぎり理論38』(ダイヤモンド社)では、「ンフ理論」と名づけています)

 相手に気持ちよく話してもらうことは、とりもなおさず、「相手に居心地のよさを提供する」こと。つまり、「気配り」をしていることです。

 英会話スクールでのこの経験を通して、私は「出だしの印象をよくすれば、相手に居心地のよさを与えることができる」ことを知りました。

 その後、気配り上手と言われている人の

●「出だしの対応」(第一印象なども含まれます)
●「言い回し」(相手に対して、最初にどんな言葉を投げかけるのか)
●「最初に行う行動」

 がどうなっているかを気にかけるようになりました。
 そして、彼らの共通点に目を向けるうちに、

「気配りには、正解がある」

 という結論に至ったのです。