「A君はとても優秀だ」。こう聞いたとき、A君に対しどんなイメージを持ちますか?「仕事ができる人」「高業績を叩き出す人」、こうしたイメージを持つ方がほとんどではないでしょうか。このとらえ方は間違ってはいません。しかし、ときに大きな悲劇を招いてしまうこともあるのです。
「素晴らしい業績=優秀」という解釈は、
とても危うい
前回の連載では、「リーダーになったら、自分の優秀さをアピールしてはいけない」という話をしました。さて本日は、その「優秀さ」という点について、もう1つお話をさせていただきます。
それは「何をもって優秀とするのか」という部分。これを明確にしておかないと、チームはガタガタになってしまいます。
一般には「素晴らしい業績を出す人=優秀」だと思われがちですが、私の経験から言って「素晴らしい業績=優秀」というのは、とても危険な解釈です。
以前、私のセミナーに参加してくれた人からこんな話を聞きました。その人の会社はいわゆる営業会社で、いろんな会社、オフィスに対してあるシステムを販売するのが主な業務です。会計ソフト、人事システムなどを販売する会社だと考えて下さい。
その会社のある営業チームに、Kさんという非常に優れた営業マンがいたそうです。Kさんの業績は群を抜いていて、社内でも一目置かれていますし、当然上司からの信頼も厚く、高く評価されていました。