「命令」より「お願い」のほうが効果的な理由
続いて、「質問1」と反対に、やる気につながった親の言動についての質問です。
●質問2
「やる気になった親の言動は?」
1位:ご褒美があるとき 28.5%
2位:頑張ったのを認めてもらったとき 26.8%
3位:褒められたとき 16.3%
4位:何も言わずに見守ってくれたとき 15.0%
5位:励ましてくれるとき 7.0%
その他の回答 6.4%
「これはあなたに向いていると思うよ」
「これを積み重ねれば、夢のためになるよ」
「こんなことが○○にはできるかもしれない」
「一緒に勉強を手伝ってくれるとき」
「期待してくれているとき」
「勉強ができなさすぎて見捨てられたとき」
(恐怖心はインパクトがあるので一時的にモチベーションをあげますが、長続きせず、判断力を失わせるので要注意)
「人の言動でやる気になったことがない」
(外発的動機より、内発的動機のほうが強い子もいます)
1位のご褒美であげていたのが、コンサートチケット、CD、洋服、スマートフォン、ディズニーランド、おいしいもの、お小遣いなどでした。
ご褒美はそれが目的となってしまってよくないという考え方もありますが、それがきっかけとなって「やればできる」という自信を得たあと、別次元の目標へと変化していくことも多いです。
2位の「頑張ったのを認めてもらったとき」、3位の「褒められたとき」は順当でしょう。
一方、やる気をくじく言葉として、
「まだまだなのよ」
「小テストで満点を取ったのに、『それが当たり前だから』と言われた」
「国語がよかったのに、数学がダメだと言われた」
「あなたが70点取れるなんて、平均点、高かったんでしょ?」
「まぐれ」
などが挙げられていました。
せっかく伸びるチャンスなのに、親のひと言でつぶしてしまうのはもったいないです。
また、
「お母さん、あなたがしっかりしていて助かるわ」
「後片づけ、きちんとやってくれてありがとう」という感謝の言葉や、
「弟に英語の勉強を教えてと言われたとき」
などもやる気につながる言葉に挙げられていました。
人の役に立っている、人から頼りにされているという実感をもつことは、自己肯定感を高めます。
ここまでを総合すると、お子さんに何かをしてもらいたいときは、「やれ」と命令するよりも、
「やってくれない?」
「お母さんをこうしてくれるとうれしいわ」
とお願いしたほうが行動につながることがわかります。
さて、5位に「励ましてくれるとき」とありますが、これは7%と意外に低かったです。
「頑張れ、と言われるのが嫌」という子も少なくないことから、親は励ましているつもりでも、子どもにとっては逆効果ということもあるようです。
一方、4位に「何も言わずに見守ってくれたとき」が入っています。無理に励ますくらいなら、何も言わずにあたたかい視線を向けてあげるほうがいいのかもしれません。
伴走、見守りといった親の態度が、子どもをやる気にさせるのです。