【技術2】本と対話するマーキング・テクニック
線を引くのによく使うのは、紙巻式の色鉛筆、黄色のダーマトグラフです。『考える技術・書く技術』(板坂元/講談社現代新書)に教えられて、愛用するようになりました。
便利な点は、蛍光ペンと違って、ペン先の乾燥を気にしなくていいこと。文字の上をなぞっても読みにくくならず、モノクロコピーしたとき印刷に出ないのも利点です。鉛筆より太いのでキャップがはまらないのが難点ですが、マーカーやボールペンのキャップを代用したりして携帯しています。
このようなマーキングしても読む邪魔にならないペンではなく、ボールペンや鉛筆など普通のペンを使うときは、できるだけ最小限の線を引くことを工夫しています。たとえば、次のような線の使い分けです。
●通常線「──」
「まあ大事」「客観的に重要」「一応、頭に入れておきたい」というところに引く
●波線「~~」
「すごく大事」「主観的におもしろい」「忘れずにどこかで活用したい」というところに引く
●マル囲み「○」
重要な固有名詞、キーワード、キーフレーズなどが“アイキャッチ”になるよう囲んでおく
線だらけになると再読するときに目障りなので、線を引く部分はできるだけ少なくしておきます。このようにマーキングを使い分けると、数行にわたって延々と線を引く必要もなく、それがどのような意図を持って引かれた線なのかも、再読したときにすぐわかります。