消費税(間接税)の
メリットと危険性を知る
しかしいずれにせよ、政府は国民に国債の元本と利息を返さなければならないので、「国債発行は財政赤字の根本的な解決にはならない」というのが財務省の考え方です。
そこで増税です。税には直接税と間接税があります。
直接税は、企業や個人の所得(利益)に課税する法人税や所得税のことです。税務署が企業や個人の所得を正確に把握するのは大変です。赤字の場合は納税を免除されますし、外国の銀行に資金を移してしまえば、課税できません。脱税を完全に防ぐのは困難です。
間接税はモノの売買に対して課税するもので、物品税や消費税のことです。消費税は脱税が難しく、一律何%と決まっているので計算も楽です。とりっぱぐれのない消費税によって、民間資金を政府に移すという判断は一見、合理的です。
しかし消費税という形で民間の資金を政府に移せば、景気が悪化します。なぜなら、民間で流通するお金を政府が吸収するわけですから、貨幣量の減少(デフレ)が起こってしまうからです。
古代ローマ帝国の財政を支えたのは、すべての取引に一律1%を課した物品税でした。軍事負担の過重で財政難に陥ると、政府が物品税を引き上げたためデフレを招き、長期にわたる帝国の衰退を引き起こしました。消費税は「諸刃の剣」なのです。