キリンの酒類の従業員は
全体の1/3

経太 ところで先生、キリンビール単独ならビール事業が中心だろうとだいたいわかりますが、子会社はなんの事業をしているのかわかりません。
株主としては気になるところではないでしょうか。

先生 ふむふむ。財務諸表の話をして、投資や連結決算の説明をすると、当然そういう疑問がおこるよね。
そのために有価証券報告書には、財務諸表という「お金」の指標だけでなく、「企業の状況、事業の状況、設備の状況」などについても報告をすることが義務づけられている。
ちょっとこのページを見てごらん。

先生は、キリンビールの有価証券報告書から、事業の内容を示す部分をとり出して
二人に整理させました。

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有価 うわあ、おどろいた。キリンの連結の従業員は2万2,000名いるけれど、そのうち酒類は1/3しかいないのですね。
それに研究開発費に全体で287億円もかけているけど、そのうちの187億円(65%)は医薬部門に投入されています。

経太 営業利益を見ても、本業の酒類で稼いだお金を他部門に投資している姿がはっきりしますね。

有価 これと同じことをアサヒビールでやってみたら、ずいぶん違った会社の姿が見えるかもしれませんね。
単独と連結を比較してみる。そのうえで、事業内容別の説明を見る。

先生 そうだね。やって見るとよい。どこが違うか、どう違うか、比較するといろいろなことが見えてくるよ。

先生と二人の会話はどんどん進んでいきます。
このあとは、貸借対照表の連結決算の読み方、技術的な留意点、次に最終章のテーマとしてキャッシュ・フローの本当の意義、技術的な課題などにすすみますが、詳しくは本をお読み下さい。


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