正しいゴールと間違ったゴール

 1→2(英語→日本語)、3→4(日本語→英語)のスピードアップのために、まずやってほしいのが、単語を覚えることです。
 「え! そんなの当たり前じゃん、わかってるよ!!」という声が聞こえてきそうです。
 当たり前ついでに、もう一つ。単語は、『中学英単語ターゲット1800』などの単語集で覚えてください。

 誰もが一度は、単語集を使って英単語を覚えた経験があるでしょう。赤いシートで隠したり、覚えた単語にしるしを付けたりしながら、取り組んだことと思います。

 いずれのやり方も間違っていません。赤いシートもしるしも正解です。
 それでも、今、英単語がパッと口をついて出なかったり、英語を聞いても理解するのが遅かったりするのは、単語集のせいでもなければ、単語集を使った学習法のせいでもありません。

あなたが今できないのは、ゴールの設定が間違っていたからです。
 単語集の単語をぜんぶ覚えることをゴールにしていませんか?
 単語集の単語をぜんぶ暗記するだけではダメです。
本当のゴールは、「1冊の単語集を60分で終わらせる」ことです。

 「acceptってなんだっけ、えーっと“を受け入れる”だな。よし、正解だ!」ではダメで、
 「accept、を受け入れる」と即答できるまでやらなければ、使えるように覚えたことにはなりません。
 このように、見出し語の日本語訳を即答できるまでやり込みます。つまり、先に説明した「英語→日本語」のプロセスを高速化するのです。

 わたしはこれを「即時翻訳」とよんでいます。

 2000語程度を収録した単語集1冊を、60分を目安に即時翻訳することを目指すのです。

 スムーズに話したり、ナチュラルスピードの英語を理解するには、「英語←→日本語」の作業スピードを上げることが不可欠です。
 それには、単に「単語を覚える」だけでは不足ですし、そこで終わらせてしまうのはもったいないです。
 単語の意味を覚えたあとに、「即時翻訳」ができるまでもうひと頑張りすれば、その単語は使える単語になったのに、中途半端なところでやめてしまうのは本当にもったいない。

単語は、「即時翻訳」できるようになるまでやってゴールなのです。