TEFCASはどのようにして生まれたか?

――ブザンさんはどのようなきっかけでTEFCASを考え出されたのでしょうか?

 自分自身の体験がきっかけだ。私が大学で勉強していたころ、初めはとても成績がよかったのに、しだいに勉強すればするほど成績が落ちてしまうようになった。私は運動もしていたが、体育でも調子が上がらず、自分が思うようにはうまくできなかった。

 そこで、より良い勉強法を模索しはじめた。そして自分の多重知性を開発した。同時に、優れたリーダーや思想家、成果を上げた科学者たちについても研究した。さらに優れた学習者についても研究し、理解が速い人ほど記憶力も良く、より創造的だということがわかった。

 驚いたことに、人類最高の学習者は赤ちゃんだった。彼らは自然にTEFCASを使っていたのだ。トップクラスの科学者たちも、意識せずにTEFCASを使い、偉大なリーダーたちも自然に使っていた。

 私は彼らがどのように学んだかを研究しはじめた。彼らの勉強法を研究し、その過程を分析した。こうして私はあらゆる天才、トップクラスの科学者、世界中のすべての赤ちゃんが同じ過程をたどることに気づいた。彼らはつねに試行を繰り返す、何度も何度も。試行後、何が起こったかを見る。

 たとえば、実験がうまくいかなかったら、彼らはその出来事を研究する。何が起こったかを研究するのだ。そして、その出来事から得ることのできるすべての情報(フィードバック)を一つ一つ確認(チェック)する。物理的な失敗、運動中のケガ、コミュニケーションの失敗など、フィードバックを得て研究し、原因を解明していく。

 多くの人はうまくいかないとがっかりし、あきらめてしまう。「失敗した」「自分はこの分野が苦手だ」などと考え、ますます自らを失敗へと追い込む。そして自分にこう言う。「自分はバカだ」「自分にはできない」「いつも失敗するにきまってる」「別のことをやったほうがいい。けっして成功できないから」などと。