巨額の未経過リース料も重荷
「破綻後に支援した方が安全」

 しかし、エアアジアが本当にスカイマーク救済に乗り出すか否か。大きな問題として立ちはだかるのは、「無借金経営」と「リース債務」の存在だろう。

 2010年に破綻したJALは債務過剰が問題となっていたが、裏を返せば、カネを借りられたということ。スカイマークと違い、自社保有の航空機など資産を多く持っていたJALは、それらを担保に日本政策投資銀行やメガバンクから融資を受けていた。

 しかし、スカイマークの場合、前述のように、航空機はすべてリース。資産がないために、融資を受けることも難しい。また、メーンバンクが存在しないことも、再建を難しくしている。経営不振企業は、メーンバンクが面倒を見るという、日本の伝統的な企業再建スキームが成立しないからだ。エアアジアにとっても、銀行の支援がないということは、自分の負担が大きいことを意味するマイナスポイントだ。

 借金がない代わりに、立ちはだかるのがリース債務だ。未経過リース料、つまり契約している年数分のリース料金の総額は、908億円(14年3月末)にも上る。収益改善のためには不採算路線の整理が必要となるが、大きく身の丈を縮めれば航空機が余り、リース解約が必要になるだろう。解約すれば未払い分がチャラになるということはなく、リース会社との交渉次第だが、ある程度は支払わなければならない。しかし、今のスカイマークに、大きなリストラ関連費用を計上する余裕はない。

 エアバスの違約金だけでなく、リース債務もスカイマークの抱える大きな問題なのだ。支援する側からすれば「民事再生法か会社更生法でリース債務を大きく減らせなければ、手を出すのは二の足を踏む」(大手エアライン関係者)状況。要するに破綻するまで待ち、それから触手を伸ばした方が安全ということだ。

 そんなスカイマークの唯一のうまみは、ドル箱である羽田の発着枠を36持っていること。「スカイマーク自体に興味はないが、発着枠は欲しい」のが、エアアジアのみならず、JALやANAの本音だろう。しかし、発着枠は国土交通省の裁量で割り振られており、スカイマークを他社が支援した場合、そのまま残るかどうかは不透明だ。

 こうした状況を見てみると、エアアジアによる救済が簡単に進むとは考えにくい。また、JALの場合、子会社のJALカードやホテルなどの資産を切り売りすることで、破綻までの数年間、時間稼ぎをしたが、スカイマークにはそうした現金化できる資産もない。残された時間はあまりに少なく、打つ手も限られているのが現状だ。