勉強には、目的に応じて
「3つのレベル」がある

伊藤:最近、伊藤塾の学生には、「勉強には、目的に応じて3つのレベルがあるよ」と話しているんです。

白川:3つのレベルですか?

伊藤:1つ目は、大学受験や資格取得といった、「直近」の目的のための勉強です。2つ目はビジネスパーソンのキャリアアップなど、「中期的」な目的のための勉強。たとえば、いますぐ試験があるわけではないけれど、将来のために、財務会計や簿記、法務の知識を身に付けておこうとか、マーケティング理論について学んでおこうとか…。3つ目は、もっと「長期的」で、「人生をよりよく生きる」という目的のための勉強です。

白川:私も、「短期」と「長期」で、人生の目標を設定しています。10年後はこうなりたい、という人生の目標と、直近の仕事の目標ですね。いずれも紙に書き出して、常に意識するようにしています。

伊藤:とてもいい習慣ですね。1つ目の「直近の目的」と2つ目の「中期的な目的」は、どちらも利己的な目的です。「試験に受かりたい」とか、「キャリアアップしたい」とか。ですが3つ目の「よりよく生きる」という目的を果たそうとすると、「利他の心」を必要とします。自分が高めた価値を社会に還元する。もっといえば、「人の幸せのために勉強をする」という志が必要なんです。もちろん、最初は利己的な目的でかまわないと思います。お金持ちになりたいとか、モテたいとか(笑)。

白川:私も、最初は不純な動機でかまわないと思います。というか、私自身がそうでしたから(笑)。私がラ・サール高校を目指したのも、東大に入りたかったのも、司法試験を受けることにしたのも、「合格したら、ぜったいにカッコイイ!」という自己満足のためでした。社会貢献をすることよりも、自分の欲求を満たすための勉強だったんです。社会貢献という目標の手前には、必ず自己満足的な動機がありますよね。

伊藤:それがなかったら、人間は、頑張れない(笑)。

白川:弁護士になって10年が経ったころ、私もようやく、「社会貢献」の大切さがわかるようになってきたんです。それまでも、頭ではわかっていましたが、本当に腑に落ちたのは、弁護士としての経験を積んでからですね。それまでは、勉強も仕事も「自分のため」に頑張っていました。



伊藤:自分のために勉強を続けていくうちに、少しずつ「3つ目の目的」が芽生えてきます。いきなり「高い目標」を掲げても遠すぎてしまって、続かない。よりよく生きる、つまり、「他人を幸せにする力」を身に付けるには、まず、最初は「自分のために勉強する」のが最短ルートではないでしょうか。
 

(※次回の記事は、「9月29日(月)」になります


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