「この食品がとてもおいしい」「子どもが喜んで食べてくれるようになった」「重いものを持ってきてくれるから助かった」「とにかくいい」って。そうすると、私の心の中に「よかったな」「嬉しいな」という思いがじわじわ湧き上がってくるのです。ですから、担当地域の中でお客様がいたら、「まず訪ねてみたい」という動機が生まれました。時間さえあれば、一日中やっていてもいいぐらいです!

 だから、新規のお客様のところに足を運ぶときは、モチベーションがものすごく上がっていて、自然に「がんばろう!」なんて思っている自分がいるんです。そのときですね、フォローアップの大切さが初めてわかったんです。

 これまでフォローアップをやっていなかったわけではありません。お客様が私どもの生協にご加入いただいたあとに、電話で感想を伺うという業務は以前からありました。ところが、その行為に何の意味があるのかわからず、やらないといけないという義務的な気持ちで業務をこなしていました。

 今は「先日はありがとうございました。ご加入いただいたあと、どうかなと思いまして……」と積極的にお話ししたら、返ってくるのは、感謝の言葉ばかり。その言葉を聞くたびに、自分の仕事に対する自信が高まります。

 それから、お客様によるご紹介も多くなりました。「心当たりがあるから、聞いといてあげるね」と言われて、実際、あとでお客様から電話をいただけるのです。今まで、お客様から電話がかかってくることなんてありませんでしたからね。今は、紹介件数が増えて、契約の3分の1は紹介によるものです。「研修のときに、紹介で広がり営業がいらなくなりますよ」と言われたことがようやくわかりました。

 実はどのお客様も、誰かから生協の評判を聞いて、私たちに興味を持ってもらい、入会いただいたんです。これを私は「埋もれた紹介」と言っています。契約のときに「誰から話を聞かれていたんですか?」というふうに尋ねてみたら「○○さんから聞いたの」とおっしゃっていました。ですから、「もし、周りに困っている方がいらっしゃいましたら、声をかけてあげてくださいね」と話すようにしています。

 最近、営業をしてわかるようになったのは、お客様が加入していただいてからがスタートだということです。今までは加入してもらったら終わりでした。つまり、ゴールがスタートになったんです。「これから活用してもらって、きっと喜んでもらえるな」と思えるようになりました。