営業プロセスにおいて最初の一歩(ステップ)となるのが「顧客の発掘」。ポイントは、「予算」「決裁者」「必要度」「導入時期」の4つを確実に聞き出して、購入してくださる可能性の高いお客様かどうかを見極め、次のステップに進むかどうか判断することです。肝心なことを聞き出せないまま、ズルズルと何度も訪問を続けて、結局成約できなかった、というのは意外とよくある話です。そうしたムリ・ムダ・ムラを省くうえで、この最初のステップが非常に重要です。
営業は、お客様を探し出すことから始まります。“良質な”お客様を発掘できれば、それだけで営業活動の50%が終わった!と言っても過言ではありません。
そう言うと、「え、お客様をみつけただけで、仕事の半分終わるなんてありえないでしょ」と疑問に思う方もいるでしょう。
でも、本当なんです。
特に大切なのは「よいお客様」に「集中する」ことです。
みなさんのチームには、1件でも多くの商談をモノにしようと日夜頑張っている営業マンが多いと思います。それは大切なことですが、進め始めた商談のうち、契約成立に持ち込めるのは恐らくほんのひと握り。ですから、数ある商談のなかでも、特に契約に前向きなお客様を見抜いて集中するだけで、成約の確率はグンと上がります。確率が上がれば、多くのお客様に提案できる時間も増えて、業績は倍々で伸びていきます。
ここまででは、にわかには信じられない、という方が多いかもしれません。
まず、どのように「よいお客様」を見分けるのか、特に初回と2回目までのお客様訪問でやるべきことを紹介します。
初回訪問で4つことを聞くクセをつける
まず、「よいお客様」とは、具体的にどのような商談案件をさすのでしょうか?
それは、お客様の「購入動機が明確な案件」です。動機があいまいなお客様を熱心に訪問しても、結論は出ません。
では、動機の強さを見極めるには、どうすればよいのでしょうか。
とてもシンプルな方法があります。どんなお客様でも“初回訪問”で、必ず次の4つ——頭文字をとって「BANT」——をたずねてみてください。これは日本アイ・ビー・エムで使われていた略語で、非常に覚えやすくオススメです。
B(Budget/予算) :予算を確保できるか
A(Authority/決裁者) :決裁者に会えるのか
N(Needs/必要度) :購入の必要度は高いか
T(Time Frame/導入時期) :購入期限は決まっているのか