相手の話に耳を傾けることは、
「敬意」を示すことである
話を「聞く」ことも重要です。
相手の話に耳を傾けることは、相手に対する敬意を示すことでもあります。
まず、注意したいのは、きちんと「聞く姿勢」をとることです。私もときどきやってしまうのですが、忙しいときに話しかけられて、ついパソコン画面から目を離さずに受け答えをしてしまうことがあります。
しかし、それは、「あなたの話は、その程度の値打ちしかありません」と伝えるに等しい行為です。必ず、相手に正面から向き合う姿勢をとることです。そのうえで、「いま手が離せないので、後で声をかけていいですか?」と言っても、相手の自尊心を傷つけることはありません。
そして、話を聞くときには、相手の真意を理解しようと真摯に聞き入ります。それが、「あなたの話は、聞くに値します」というメッセージを伝えることになります。
通り一遍に話を聞いてすぐに自分の意見を述べたり、相手の話を遮ってしまうのは禁物です。「あなたの話よりも、私の話のほうが価値がある」と言ってるのと同じだからです。相手は「自分の価値を貶められた」と傷ついて、心の中であなたへの反発を強めているに違いありません。
相談をしたり、意見を聞いたりするのも効果的です。
たとえば、あなたが実現したい企画があるとします。そんなときには、企画の採否に影響力をもつ人に、必ず相談したほうがいいでしょう。有益なアドバイスが得られるということもありますが、それ以上に、相談されたことに対して「重要視されている」と感じてもらうことに意味があります。
誰でも「重要感」を与えてくれた相手に対して好感をもちます。「味方」になってくれやすいのです。もちろん、企画内容の良し悪しは大切ですが、その企画の採否を決めるのは、その判断に影響力をもつ人物をいかに「味方」につけるかにかかっているものです。
上手に頼み事をするのも、相手に「重要感」を与えることに繋がります。
そのために重要なのは、相手の「得意分野」を知っておくことです。誰でも、自分の得意分野について教えを乞われると、「自尊心」が刺激されます。
たとえば、パソコンの調子が悪いときには、パソコン操作に自信のある人に助力を頼む。英語の文書に理解できない部分があれば、英語力を自負している人に翻訳を依頼する。ほとんどの場合、「この人は、私のことをわかってくれている」と、あなたへの好感度を上げてくれるでしょう。