「実施確約報酬型」を利用するための条件とは?

 その他、「映画の製作」のプロジェクトであれば、製作に必要な資金はすでに手元にあり、出演者やスタッフも決まっている状態であることが前提で、映画配給のための宣伝費が必要な場合などにも利用できます。また、「新商品を作る」プロジェクトでは、すでに生産は決まっていますが、何個製品を作ったら良いかのめどを立てたい場合など、その集まった金額でプラスアルファのことができる場合はこの「実施確約報酬型」が利用できます。

 現在、日本国内では「モーションギャラリー」「ウィシム」「マクアケ」、世界では「インディーゴーゴー」がこの分配方式を行っています。

 これらのように調達資金があるないは関係なく、すでに自分たちの力で実施が確約されていている場合に適用されます。集まった資金はあくまでもプロジェクトのスケールアップや、作品のクオリティを上げるためなどに必要な資金を募る場合に利用されます。

 例えば、「新商品をつくる」プロジェクトにおいて、これまでに一度も商品を作ったことない個人が、1千万円集めて新商品を作ろうとした場合は適用されません。
また、「海外でCDデビューをする」といったような場合、これまでに実績のないミュージシャンは審査で落とされてしまうでしょう。

 このように、CFサイトの審査ポイントとしては、「すでにプロジェクトが動ている」、「完成を企画実施者が確約できる状況にある」ということが前提条件となります。また、「実施するためのチーム能力があるか」や「リターンの実行は100%担保できるものになっているか」などの「実現性」の高さが判断の基準になっています。
*なお、手数料に関しては、「モーションギャラリー」は、目標金額を達成した場合は、10%、達成しなかった場合は20%、「ウィシム」「マクアケ」は「実施確約報酬型」と「成功時報酬型」は同一の20%です。

 次回は「クラウドファンディングは目標額に達しなかったらどうなるの?(後半)」についてお届けしたいと思います。