そこで実際にやった作戦が「同行営業」です。
つまり、できる営業マンとできない営業マンのペアで客先に訪問させること。
同行営業することで、できない営業マンは、できる営業マンの商談プロセスを間近で見て学び、その技を盗むことができます。また、自分の商談を見てもらって、アドバイスをもらうこともできます。
同行営業はできる営業マンにとっても意味があります。
「教えることは教わること」という言葉があるように、後輩の指導を通じて自分のなかのノウハウが明確化されたり新たな発見があったりするからです。人に教えることはある種の優越感があるので、本人たちは嫌がることもなく楽しんでやってくれます。
この作戦のもう一つのメリットは、できる人をサボらせない効果があることです。できる営業マンほど、さっさと契約を取ってサボる傾向にあるので、常にペアで行動させれば、サボる時間は少なくなり稼働時間を増やせるというわけです。
結果的にこの作戦は大当たりし、部全体の屋根上げ・底上げにつながり、契約数を大きく伸ばすことに成功しました。
同行してもらったら「自分との違い」に注目
もしあなたが営業マンとして悩みを抱えているのなら、できる営業マンと同行営業させてもらうことをおすすめします。
できる営業マンに、受注したときの成功事例を話してもらうだけでも参考にはなるかもしれませんが、それでは細かいニュアンスまで伝えきれるものではありませんし、聞く側が吸収できるものは多くはありません。
やはり実際にその場にいて、自分の目で見なければ感じ取れない、商談の「行間」のようなものがあるのです。