次に順番づけです。これが「認知」の第1段階で、一番大事な仕事です。くれぐれも、嫌なことを書き出しただけで終わってしまわないように。それでは何の役にも立ちません。書き出したストレッサーメモの中で、自分の健康状態(精神面も含めて)まで危険にさらしていると感じるストレッサーを、強いほうから並べていきます。番号を振ってもいいです。順番がつけられないときは、同じぐらいの強さのグループ分けでもいいです。ここでまたゴチャゴチャになってしまえば、まだ頭の中が整理できていない、つまり「把握」ができていないことになります。

 こうした訓練の説明をしていると、途中で「もういいです。書き出すのが面倒ですし、順番とかつけられません。私が口で言いますから、ぜんぶ先生がやってくださません?」と聞かれるのですが、これは頭がグチャグチャであることと、あまり差がありません。

 「認知」の第1段階で、一番重要なことは、自分でやることなのです。

 第1回「ストレスは陽炎のようなもの」で、たとえ医師でも「これとこちらと、アナタはどちらが嫌ですか」と聞かれて、正直に答えたつもりが後になって「やっぱり、あっちだった。先生がこっちじゃないですかなんて言ったからいけないんだ」と不満が残ってしまい、いつまでたっても「把握」ができたことにはならないのです。それではストレスコントロールはできません。

 順番をつけようとすると、頭がまた混乱してきたと思ったら、書いたものを、時間をおいて見直してください。「なにもかもがストレス!」と混乱している人でも、一つずつ確認していくと、「私にはAよりBのストレスのほうが大きい」などと、少し落ち着いて考えられるようになります。

「認知」の第2段階――「課題の設定」

 選び抜かれた、自分にとって最悪で、自分を危険にさらしている順位の高いストレッサーたちが決まったら、「認知」の第2段階へと進みます。書き出して、順番をつけたところで、投げ出さないでください。認知の訓練を完了するまで、やめないでください。

 認知の第2段階「課題の設定」は、解決に向けての課題を見出すことです。この課題の見出しを、一網打尽の行動と誤解してしまう人がいます。

 例えば、借金問題がストレッサーの第1位だとしましょう。今の自分には、どのくらいのお金が使えて、将来はどのくらいのお金が必要かといったことを考える、これが正しい「課題の設定」です。