処暑(しょしょ)
新暦で8月23日~9月7日頃

「処暑」の「処」は来て止まるという意味で、ようやく暑さが治まる時期です。暑さはまだ続きますが、しのぎやすい日も混ざるようになります。川で涼をいただく涼み舟や、天ぷらなどを食べる屋形船、京料理をいただく納涼床などが楽しめる時期です。

秋の養生法:便通をよくする発酵食品をしっかり摂る

 この季節の変わり目にはアレルギー体質が顕著に表れてきます。現代社会で生きる私たちは、アレルギー体質とどのように共存していくかが課題になります。日本古来の生活習慣にもう一度立ち返りましょう。日本人には、味噌・醤油・糠漬けなどが合うのです。合成の調味料ではなく、自然食品を積極的に摂り入れましょう。

 急に涼しくなって、風邪をひく人が多くなります。風邪をひきかけたらなるべく早く治さないと大事にいたります。簡単にできる方法は、きれいな空気を体の奥まで吸い込むことです。その後は息を吐ききることが肝要です。吐ききったらゆっくりと体全体で、横隔膜を広げ背中まで空気が入るくらいのイメージで空気を吸います。

 ビワは、万人にとっての健康食です。胃腸を丈夫にして、嘔吐や口渇を治します。成分の一つのアミグダリンが癌に効果があると言われています。サポニンも多く、内服も外用としても痛みや炎症を抑え、肌にも優しい食材です。

白露(はくろ)
新暦で9月8日~9月22日頃

「白露」の時期には、日中に暑さは残るものの、朝夕には涼しい風が吹くようになり、草の葉先に露が結ばれます。秋の七草は、万葉集で山上憶良が歌ったのが有名で、春の七草のように粥として食べるのでなく、深まる秋に順番に、萩・すすき・葛・なでしこ・おみなえし・藤袴(ふじばかま)・桔梗(ききょう)と咲くのを愛でます。

秋の養生法:便通をよくする発酵食品をしっかり摂る

 西に沈む夕陽を静かに見つめて人生を振り返る、そんな時期です。これからの未来は過去にヒントがあります。過去にあった楽しかった出来事や充実感を思い出してみましょう。悦びをゆっくり味わい、それのどの部分が悦なのか吟味して、これからの人生の方向を決めましょう。

 鼻や気管支にトラブルが出やすい時期です。肩こりの改善も大切です。筋肉には心の記憶が刻まれます。病は気からというように、喘息のような慢性疾患には心の問題も大きくかかわってきます。肩こりや腰痛など筋肉チェックも忘れずに行いましょう。

 唐辛子は、気分を発散してくれるので、憂鬱になりやすい現代人に向いています。過量の唐辛子は皮膚粘膜に細かい傷を作り、老化を早めます。粘膜の弱い人は加減しましょう。