(2)企業の需要
次は「企業の需要」について考えます。
社長とか部長が、どんな商品を買うかってこと?
いえ、違います。「企業」とは社長のことではありません。社長がする買い物も「一個人が買っているモノ」なのです。社長という個人が買っているだけで、「個人の需要」です。では、「企業の需要」とは何かというと、それは、企業がビジネスのために買うものです。
仕事で使うものも「需要」なの? 仕事でしか使えないマニアックなものでも?
そうです。その商品がどんな性質で、どんな機能を持っているかは関係ありません。ビジネスのためにとはいえ、「何かを買う」ということには変わりありませんね。だからそれも「需要」なんです。
たとえば、メーカーが生産機械を買ったり、工場を建てたりするのは「企業の需要」です。では、このような「企業の需要」を増やすためには、どうすればいいでしょうか? それは、企業がなぜ生産設備などを買うか、工場を建てるかを考えれば、わかります。
なぜって、仕事で使うからでしょ?
そうです。もう少し正確にいうと、「それを買ったら、儲かるから」です。仕事に使えると言っても、買わない方がいいものは買いません。それを買ったら明らかに損をするよね、というものは買いません。
企業は利益を稼ぐために活動しています。ということは、企業は「これを買ったら利益を増やせるかどうか」を考え、増やせそうだったら買う、そうでなければ買わないという判断をします。
儲かりそうな機械って、どうやって見極めるの? 難しそうだなぁ。
ここで考える「儲かりそう・儲からなそう」は、その機械でどんな商品が作れるか、で考えるのではありません。その機械を買ったらどれくらい儲かるかは、ビジネスによって、もしくは、その企業によって大きく変わります。
また、それぞれの機械設備の値段はもちろん違いますね。なので、個別に細かく考えることはできません。ただ、共通していることがあります。それは、その設備を買うときにお金がかかるということと、ローンの金利を払わなきゃいけないということです。
ん? どういうこと??