Photo by Yoriko Kato
国際的な防災戦略について議論する国連主催の第3回「国連防災世界会議」が14日から、東日本大震災の被災地、仙台市で始まった。
この会議は、国連加盟国193ヵ国の国際機関やNGOなどが参加して、ホスト国日本の「防災ノウハウ」を世界に紹介する目的で開催されている。前回は、10年前の2005年、阪神大震災の被災地、神戸市で行われた。
この会議の市民向けのフォーラムで14日、4年前の東日本大震災で、学校管理下の児童と教員84人が犠牲になった宮城県石巻市立大川小学校の卒業生たちや遺族も、それぞれ3つの会場で、世界に向けて「防災」を語った。
大川小校舎を残すことで
「津波や地震の怖さを後世に伝えたい」
「宮城県子ども支援会議」(宮城県の教育・福祉担当部署と被災者支援団体で構成している会議)が主催する「東日本大震災に学ぶ大災害と子ども・子育て支援活動のあり方」というシンポジウムで発表したのは、大川小卒業生の佐藤そのみさん(18)、紫桃朋佳さん(17)、只野哲也さん(15)ら。会場をぎっしり埋めた約200人の参加者の前で、次のように大川小保存についての意見を語った。
震災から3年が経った頃、そのみさんたちは、大川小の校舎解体を望む遺族の声が高まっていることを知った。主な理由は、校舎を見るのが辛いというものだったという。
「大川小の校舎を残したい」
そんな思いから、以前からたった1人でメディアを相手に発信していた只野哲也さんを中心に、同じ意見を持つ大川小の卒業生6人で活動を始めた。