青木 営業は、価値を伝えている仕事。モノをただ売っているわけではなくて、それがどんなに素晴らしくて、お役立ちになっているか、です。そのことを社長が分かっているかどうかも大事なところ。営業は、イチバンできない人間がついていると思われていることが残念です。
武沢 確かに、御用聞きと思われている節がありますからね。
青木 今の研修先では、「営業になりたい」と言う人間が増えてきました。新人がなりたいと言うんです。聞いてみると、「営業マンが楽しそうに仕事をしているから」だそうです。
「営業から会社を変えられる」、そう実感しました。伸びている会社の経営者は営業の重要性を分かっています。
武沢 昭和はモノが足りない時代。品種が足りないときは、「うちにこういうのありますよ」で売上が立ちました。御用聞き、PRでもよかったんです。今はモノにあふれ、コミュニケーションが必要な商品が多くなった。つまり、営業がお客様に、困っていること、望んでいることを適切に聞き出さなければいけません。「問題解決がわが社の製品」と言える人はできる営業マンですね。
青木 「売れる」「売れない」の差は以前もありましたが、顕著に大きくなってきましたね。
武沢 フットワーク、押しの強さよりも、コミュニケーションの差で決まる時代です。お客様は「これを解決します」と言ってくれるのを営業マンに期待しているのに、そういう営業がいない。
青木 そこで大事なのは、「何がテーマで障害は何か?」を知ることです。お客様にしゃべらせれば、問題が明確になってくる。そして、売れなかった人が突然売れるようになる。説明なんてほとんどいりません。ニーズを質問で引き出せればいいのですから。