東に石原あり! 西に青木あり! 営業時代、そう呼ばれていた時期があった。経営コンサルタントの石原明氏と「質問型営業」を開発した青木毅氏は、おたがいにナンバー2というポジションのとき、営業の成果を上げつつ、お互いに営業の相談をしていたという。今回の対談では、質問型営業の原点のほか、「営業職という仕事の考え方」や「いま、身につけるべき営業力のこと」など、2回に分けて紹介していきます。
東西で売上を競い合っていた2人の出会い
毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「高収益トップ3%倶楽部」には、全国延べ3500社が参加。2万人の読者を抱えるメールマガジン『社長、「小さい会社」のままじゃダメなんです!』や独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。毎週金曜日に配信する人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は年間のダウンロード数670万回を超えている。
主な著者に『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(中経出版)、『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『すべてが見えてくる飛躍の法則~ビジネスは、三人称で考える。~』(アスペクト)などがある。
石原 当時、海外の企業研修用教育プログラムを代理店の立場で売っていました。青木さんと重なった時期は、5年ぐらいでしょうか。
青木 大阪と東京で地域を代表するような代理店で、2人ともナンバー2。「うちはこうしている、していない」と、互いにひそひそと相談していましたね(笑)。
石原 その後、私は「コンサルティング」の道に進みましたが、「青木さん、今後どうするんですか?」と聞いたところ、返ってきた答えが儲からなさそうでしたので(笑)、青木さんがすでに取り組んでいた「コーチング」と「営業」をミックスさせるという提案をしました。いまの質問型営業の原点ですね。
青木 当時、「営業を教えるのが面白い」と感じていて、それをうまく事業化できないかと。『営業マンは断ることを覚えなさい』が出版された5年後ぐらいです。
石原 世の中が、インターネットに向かってしまって、私は「仕組みが大事」と言っていました。だけど、仕組みに皆が向かってしまった結果、いま、売れる営業マンが本当に少なくて、希少価値が高い。
仕組みのいいところは、仕組みが動けば自動的に物事がうまくいく。しかし、デメリットもあって時間がかかる。