人間の視線は「顔」に誘導される
人間の脳は「いま目で見ている情報」だけを理解しようとし、それ以外を「ノイズ」として無視します。
だから、何かを伝えたければ、まずはそれを「見てもらう」ことが大前提なのです。
逆に、それほど話し上手ではないのに「なぜか伝わる人」ってみなさんの周りにいませんか?
そういう人は、意識的・無意識的は別として、「自分が伝えたいこと」と「相手が見ていること」を一致させる―つまり「視線誘導」ができているのです。
さきほどスライドを見たとき、みなさんの目線はまず「オジさん」に向かいました。
人間の目は、ただの文字列よりも人間の顔に引きつけられるようにできているからです。
もし「研究開発投資のグラフ」を説明したければ、まずそこに聞き手の目線を引きつける必要があります。
言葉での誘導だけでなく、手や身体の動き、声のトーンなど、工夫の余地はいろいろあります。
もちろん、「スライド資料を見やすく改善する」というのも1つのやり方でしょう。
池上彰さんのニュース解説は、
なぜわかりやすいのか?
こうした視線誘導のお手本として私がつねづね紹介しているのが、ジャーナリストの池上彰さんです。