二枚目の名刺の活動

 では、二枚目の名刺では、どのように活動が進んでいくのでしょうか。

 二枚目の名刺の活動は、サポートプロジェクトと呼ばれます。サポートプロジェクトは、プロボノそのものとは区別されています。というのも、サポートプロジェクトは専門性が発揮できる領域だけを対象とするのではなく、取り組み分野に制約はなく、あらゆる社会課題が対象になるからです。

 二枚目の名刺のサポートプロジェクトは、二枚目の名刺が編成した社会人チームと支援先の団体が一緒になって、課題に取り組む仕組みになっています。二枚目の名刺は、支援先の団体と共にプロジェクトメンバーを募集します。プロジェクトのテーマは、集まったメンバーのスキルセットや志向性と、団体の抱える課題を踏まえて設定します。

 こうして編成されたチームは、だいたい5、6名程度のチームである場合が多いのです。属する業界、会社、職種、年齢、性別は多様性に富むものとなります。この多様性こそ、プロジェクトの醍醐味です。プロジェクトに参加しなければ出会うはずのなかったメンバーが、短期間ではあるものの、課題解決という共通の目的に向けて、濃密にやりとりできるのです。

 背景や考え方が大きく異なるメンバー間のやりとりであるため、お互いの価値観や言語の使い方の違いに戸惑うことになります。

 しかし、この戸惑いこそが、貴重な学びにつながります。本業では、同質な価値観の人々とやりとりすることが多く、それに比べて戸惑いながらも多様な価値観を知ることが、自己成長につながるのです。

 この貴重な学びについて、次回、もっと詳しく考えていきましょう。