不適切な行為に歯止めをかける
コーポレートガバナンス

 本来、企業に何らかの不正や不適切な会計処理があれば、それらを見つけ出して是正する仕組みがあるはずだ。例えば、現金などの出し入れは、基本的に二人以上の認証が必要となる手続きがある。

 また、今回のような不適切な会計処理があれば、企業内の監査部や外部の会計監査などによって表面化することが想定される。その場合には、まず、企業の最高責任者である経営者が事態を精査し対応策を講じることになる。

 ところが、経営者自身が不適切な会計に関与していると、それを正す機能が低下してしまう。仲間内で隠蔽工作に走ってしまうことも考えられる。今回の東芝のケースでも、内部告発が、直接、証券取引等監視委員会に届いた。

 逆に言えば、内部告発がなければ、問題が依然として水面下に潜んでいたことも考えられる。

 そうした事態の発生を防止するために、コーポレートガバナンス=企業統治の機能が注目されている。コーポレートガバナンスとは、企業内部の牽制システムに依存することなく、社外取締役や株主など利害関係者=ステークホルダーによって、企業活動を監視する仕組みだ。

 仲間内では管理や牽制の機能が甘くなりがちなので、外部の人たちにも入ってもらって、日常の企業活動を監督しようというシステムだ。

 コーポレートガバナンスの考え方は、1960年代の米国で注目されたと言われている。当時の米国企業では、消費者主権運動や黒人雇用に関する問題点などが、企業外部の関係者から多く指摘されるようになった。