売れない想定をゼロにすれば
結果もついてくる

神田 黒旗は、直接会ってプレゼンをしたのに契約に至らなかったお客様を表しているのですよね。となると、次なる一手は、黒旗の人を再度説得することですか?

手帳の巻頭計画表の記入例

和田 はい、“今日のNoは明日のYes”ですから。ただし、売る側が成長しないと同じ結果になってしまう。だから、まずは営業担当のトレーニングですね。

神田 なるほど。自分なりに、「赤旗との出会いを極める」というのもありますよね。

和田 そうなのです。人って不思議なもので、Aさんと会うと明るいのに、Bさんと会うと暗くなることがあります。同じ人物のはずなのに、二つの局面があるという意味です。

神田 ふむ。

和田 だから、その日の営業マンの気持ちが陽なのか陰なのかで、同じお客様でも「Yes」になったり「No」になったりします。お客様を説得するというよりは、営業のこころ次第なんだと思っています。

神田 和田さんの理想は、すべて赤旗にすることですか?

和田 すべてというか、いい商品があっていい機会があって、一歩進むことを悩む人がいれば背中を押したいと思っています。

神田 20%くらい黒旗があるほうがかえって頑張れる人と、100%赤旗であることでさらに頑張れる人はいますか?

和田 理想になりますが、限りなく100%に近いほうがいいです。途切れなく良いことが続いているほうが、良いセルフイメージを持ちやすいからです。

神田 和田さんが著書『成約率98%の秘訣』に書かれているように、営業時代の最高成績のアベレージが98%だったわけですよね。それはあくまで年間の平均値だから、ウィークでみると、黒旗が連続した週もあったのですか?

和田 そのときはなかったんです。売って当たり前というセルフイメージが100%できていましたので、失敗が連続することはまずありませんでした。神田さんが提唱されている「ストーリー思考」のように、欲しい未来や成果をあらかじめ自分で描いておくことって、めちゃくちゃ大切です。